日本の牡蠣あれこれ (その1)


生ガキ、カキフライ、焼き牡蠣、カキ鍋…牡蠣料理は様々なバリエージョンで楽しめ、そしてとても旨いですね。
この旨みは岩に着底してからほとんど動かないので、貝の筋肉が退化して内臓が殆どを占めています。
そのため、カキの風味は内臓の味が強いのです。

タウリンや亜鉛ミネラルを豊富に含み、糖質の50%以上がグリコーゲンで、肝機能を高め疲労回復を補助します。
栄養が豊富な牡蠣は「海のミルク」と呼ばれています。

牡蠣という名前は様々な諸説がありますが、岩に張り付いている貝を掻き落として漁獲することが由来とされています。

日本の食卓ではお馴染みの牡蠣ですが、有名どころでは北海道と広島が産地ですね。
日本国内で一般的に流通している牡蠣は、イタボガキに属する「マガキ」という種です。
天然、養殖いずれも流通量が多いマガキは、産地によって「北海道型」、「宮城型」、「広島型」、「熊本型」に分類されます。
波打ち際や海岸線沿いの沿岸部など浅い海域に生息します。

旬の季節は秋から春にかけて特に冬場に本場を迎え、夏場は食用に向きません。
マガキは冬場に栄養を蓄え、初夏に産卵のシーズンを迎えます。
産卵は一気に行うので産卵後の夏の牡蠣は精巣や卵巣が肥大し、身が痩せて蓄えた栄養が抜けてしまいます。
そのため、マガキは「桜が散ったら食べてはいけない」といわれており、海外でも「Rが付かない月には食べてはいけない」といわれています。
「May」、「June」、「July」、「August」…なるほど、日本と同じ時期ですね。
牡蠣を食べて食中毒になる原因は貝毒、ビブリオや大腸菌の細菌類、ノロウイルスなどウイルス類に」よりますが、これは先天的なものではなく、生育環境の海水によるものです。
生育していた場所での摂餌行動によって、中腸線の消化器官に取り込まれて濃縮したものです。
フグの肝毒と似た理由ですね。

マガキと並んで日本で一般的に流通している「イワガキ」は、マガキとは対照的に夏が旬の季節の貝で、外洋の深い海底に生息します。
石川県・能登、秋田県・象潟、佐賀県・有明、長崎県・五島列島が主なイワガキの水揚げ地です。

イワガキもマガキと同じく夏に産卵のシーズンを迎えますが、マガキの様に一気に産卵をするのではなく、ゆっくり少しずつ産卵を行います。
そのため、貝が持っている栄養分が抜け落ちることがないのです。
また、イワガキは海女さんと漁師が水中に潜って漁を行いますので、冬は漁が行えず市場には出回りません。

 

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