こんな所で日本有数の水揚げ量!?成田漁港こと成田空港


小学生の頃、社会科で日本三大漁港を挙げよという試験問題があったことを思い出しました。
答えは、1位が遠洋マグロ・カツオ船基地の焼津漁港、2位はアジ、サバなど大型旋網漁船が主体の銚子港、3位はサケ、マス、ニシン、スケソウダラなど北洋漁業基地の釧路港となっています。
他に石巻、八戸、境、枕崎、長崎などが続きます。

ランキングには入っていませんが、日本で有数の水揚げ港があります。
そこは成田国際空港です。
海外旅行で成田空港を使う方は多いのではないでしょうか。
羽田空港の拡張で国際線需要が押され気味になっていますが、最近ではLCCの台頭で成田発着の国内線利用者も増えていますね。
貨物の取扱量は日本で一番多い空港で、世界でも10位にランキングされます。
さて、成田空港が「成田漁港」と言われる所以ですが、世界から飛行機で運ばれてきた魚が年間6.5万トン以上に達します。

とりわけ地中海沿岸や米国からのクロマグロ、ミナミマグロなど高級養殖マグロの輸入量が多いです。
カジキやメバチ、キハダマグロは台湾、東南アジアから輸入されます。
日本のマグロ船が世界の港に寄港して、そこから空輸で冷凍マグロが日本に運ばれます。
JAL日本航空では梱包できない大型の冷凍マグロ専用のコンテナ「ツナコンテナ」を独自に開発しています。
やはり、日本が世界で一番マグロを消費するからでしょうか。
その他、ノルウェーからは大西洋サケ(アトランティックサーモン)、チリからトラウトマス、ギンザケ、アメリカ、オーストラリアからベニザケなどサケ類、スケトウダラの輸入量が多く推移しています。
ロシアからベニサケ、トラウトマス、スケトウダラ以外に、カニ、サンマが挙げられます。
中国からの輸入も多く養殖ウナギ、アナゴ、ドジョウ、シラウオ、スズキなど、他にも東南アジアからなど様々な国から、様々な魚種が輸入されています。

日本の魚介類の食料自給率は海洋国にも関わらず、1964年(昭和39年)の113%をピークに落ち込んできています。
2010年度はピークの約半分60%まで落ち込んでいます。

以前、マグロにまつわる話で綴りましたが、高級マグロは日本の遠洋漁業船団が世界中の海で漁獲していましたが、1970年代後半の世界的な自国水産資源の管理、保護のため200カイリ設定の流れにより日本漁船の締め出し、マグロなど特定魚種の漁獲制限により遠洋漁業の勢いが衰えます。

マグロ、エビ、カニ、サケなど一部の高級魚に人気が集中して、それらを輸入でまかなうようになり、日本沿岸で豊富なアジ、サバ、サンマ、イワシなどは食料自給に大きく貢献できるのに、飼料や肥料などの非食用に供され自給率が減っていった経緯があります。
そして海外の魚食の傾向が高まっており、先進諸国を中心に魚介類の消費率が高まっています。
日本は食料自給率の増加に向き合わなければならない時期に差し掛かっています。

最近では「フードマイレージ」という概念が広がってきており、食料の輸送のコストを減らして地産地消しようという動きがあります。
輸入魚と日本沿岸の魚をうまく活用して、漁業大国・ニッポンの地位を復活につなげてゆきたいものですね。

 

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