ユニークな黒部漁港(富山県)


黒部と言えばまず思い浮かべるのはあの黒部ダムでしょう。そのため漁港をイメージする人は少ないかもしれませんね。黒部は天然の生簀なんですよ。

黒部川の扇状地に旧黒部市街地は開けています。黒部川扇状地の地下には浸透した水が、海岸のいたるところに湧き出ており、湧水の町としても知られています。

黒部市はYKKの企業城下町という特徴もあります。

魚津にある道の駅は「海の駅」と呼ばれていますが、黒部には「魚の駅とれたて館」があります。黒部漁港のすぐそばにあり、新鮮な魚を買うことができるのです。

「魚の駅とれたて館」では黒部漁港で水揚げされた魚が売られています。この漁港は内陸に掘り込まれて作られた漁港のため、運河を通る必要があるのです。

漁船を停泊地から海へ出すために通る運河には、橋(生地中橋)が架かっていて、橋と水面の距離が低いため、船を通す時は橋を動かします。

東京の勝鬨橋のように可動式の橋は、全国でも少ないのではないでしょうか。

「魚の駅とれたて館」へは、黒部駅や宇奈月温泉からもシャトルバスが運行され、公共の交通機関で富山観光をする人にも便利になっています。

富山県は新鮮な魚が獲れることで有名ですが、氷見の寒ブリ、滑川・魚津のホタルイカなどは知名度も高い魚介ですね。

ホタルイカは富山市から黒部市の沿岸にかけて盛んに水揚げされます。富山湾は1000m級の深さがあるため、ホタルイカや白エビなどのユニークな魚介が水揚げされるのです。

前述の湧水ですが、黒部扇状地の地下水が伏流水として黒部海岸付近に湧き出ています。地元の人にとって生活に欠かせない飲料水として、昔から利用されてきました。

この湧水は環境省の「名水100選」にも選ばれるほどの美味しい湧水です。町のいたるところに自噴しており、年間を通じてほぼ11度くらい。夏は冷たく冬暖かく感じます。

黒部漁港は内陸にあるため、漁港から海は見えません。漁港から漁船を出向させるために運河を通りますが、両岸には生地地区の市街地が広がり、両岸を結ぶ地下道や橋が2カ所あります。

ひとつは黒部漁港の下を通る地下歩道。歩行者専用ですが海の下を通る歩道は珍しいですね。もう一つは運河にかかる橋です。一見するとなんの変哲もない橋です。

この生地中橋を外から見ると船が通れる高さではありません。これは稼働橋で決められた時間になると橋が旋回して舟を通すのです。船の出入りが多いため結構頻繁に動いています。

黒部漁港はかっては生地港と呼ばれていて、河口付近を漁港としていたのですが、1960年に1部拡張し、その後も拡張を続けた結果、内陸に現在の大きな漁港が誕生したのです。

黒部漁港は第2種漁港に指定され、内陸にある漁港は富山県では黒部漁港だけです。ユニークな漁港ですね。

画像出典元:http://fan.kurobe-unazuki.jp/

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