鮑(アワビ)


貝を食材とした日本料理のうち、料理の種類が一番多いのがアワビです。
アワビの、この姿、形、味は、まさに貝の王様と言えると思います。
『魚鑑』に「志摩の鮮鮑」とあり、志摩半島(三重)の海女のアワビ採りは夏の風物詩でもあります。また、最も美味しいのもこの夏です。

日本近海に生息するアワビは、大きく分けて4つに分けられます。
「マダカアワビ」、「クロアワビ」、「メガイアワビ」、「エゾアワビ」です。
「マダカ」は夏~秋、「クロ」と「メガイ」は夏、「エゾ」は冬が旬となります。

4種のアワビはそれぞれ歯ごたえ、味にも特色があります。お寿司屋さんでよくにぎられるのが「クロアワビ」です。最も歯ごたえがあり、生食にむきます。また、歩留りが良い事もあり、寿司屋さんが良く使う事も納得できます。
対して「マダカアワビ」は身が柔らかめ。このアワビは蒸したり、焼いたり、煮たりなどの加熱料理にむいています。
「エゾアワビ」はこの2種のアワビのちょうど中間くらい。生食でも加熱でも美味しいとされています。

日本産のアワビは古くから強精食材として扱われてきたようです。秦の時代の始皇帝はこのアワビを不老不死の食材ととらえ、500人の使いを日本に送り込んだと言う記録も残っているほどです。
また、日本でも縁起物として珍重されてきました。アワビの身を干したものを「ノシアワビ」と言い、武家の出陣や凱旋のお祝いに贈ったとされています。この風習が現在でも残っており、贈り物に熨斗(ノシ)をつけるのだそうです。

産地ならではの食べ方は、料理と呼べるかどうかは分かりませんが、浜での食べ方は豪快です。
獲れたてのアワビを殻ごと火にかけ、焼けたところを身をはずし、海水でバシャバシャと洗ってほおばると言うもの。
家庭ではできませんが、これはもう美味しいこと間違いないですね!

画像出典元:http://www.mkanyo.jp/onsendayori/

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