平塚漁協が取り組んだ第6次産業の布石 その12

12回に渡ってお送りしてきた平塚漁協の第6次産業への取り組み、最終回です。
平塚漁協と株式会社ロコロジがタッグを組んで進めてきた事業、「平塚食堂」は2014年4月にオープンしました。
マスコミにも取り上げられており、オープン直後は非常に多くの人々が訪れ、予想外の来客数で食材が不足してしまい、夜の営業ができないハプニングもありました。
しばらくして客足が落ち着いても、休日はかなりの行列が伸び、平日も終日にわたって満席が続くという大盛況ぶりです。

さて、平塚食堂で出される魚料理は刺身、焼き物、煮物、フライ、汁物、丼など様々なものが提供されており、そして1,000円台、高価なものでも2,000円程度の価格帯となっています。
例えば刺身の盛り合わせ、フライ、あら汁、御飯、漬物のご膳料理は街中の海鮮料理店より遥かに多いボリュームで、しかも1,500円程度、そして盛り付けも非常に華やかで、“食堂”でありながら日本料理店並みなのです。

リーズナブルな価格で高品質な料理が出せる理由、まさに平塚漁協が第6次産業で目的としていた“低利用魚”の活用だったのです。
平塚は定置網漁業が盛んで網には多種多様な魚が獲れるのですが、そのなかには知名度が低くて一般的には流通に乗らない魚や、サイズが小さすぎて値が付かない魚が多く、以前からこれらの魚の活用について検討されていました。
そして漁協ではシイラ、ソウダカツオ、カタクチイワシなどあまり流通には乗らない魚を利用した商品開発をしていたことがあります。
本来であれば非常に安い値段で買い叩かれるか、もしくは廃棄されてしまう魚をフルに活用することで、漁業者の収益にならなかった魚が“価値あるもの”として収益につながり、しかも利用者の認知度を高める機会にもつながるのです。

勿論、低利用漁だけでなく人気があり定番の魚、つまり“価値ある魚”の活用も非常に重要なことですが、平塚食堂の仕入れは“魚を高く買って安く提供する”ことを念頭に置いています。
高い魚はそのまま高く買い、大漁で値崩れした魚や低利用漁は安く買うのです。
そして提供する料理に価値を高めて大量に販売して、ほどよくメニューを構成したとき、高い魚も手ごろな値段で販売が可能になります。
平塚食堂にはどんな魚も美味しくする知恵と工夫が常に施されています。
その美味しさは是非、現地に行って体験してみてください。
画像出典元:http://hiratsuka-arekore.info/gourmet/hiratsukagyokounoshokudo

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平塚漁協が取り組んだ第6次産業の布石 その11

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