平塚漁協が取り組んだ第6次産業の布石 その4

前回は漁業を取り巻く厳しい環境についてお話しました。
今回は、平塚漁協がそこから打破をしようとした試みについて綴ってゆきたいと思います。

平塚漁協は地元でも漁港があることが知らないという認知度の低さ、そして魚はあまり食べていないという市民の声を拾ってある試みを始めます。
「魚は骨が多いから」、「捌き方がわからない」という若い主婦層の声を聴いた同漁協の職員は魚の普及キャンペーンを考案します。
湘南ひらつかビーチパークにて「ビーチdeさばき方教室」を開催、魚に縁がない人たちも散歩がてら気楽に来てもらえればという思いがありました。
30代から40代の主婦が中心になってこの教室に参加、思ったより簡単だった魚の捌き方に感銘を受けた参加者たちがまるごとの魚を買ってゆくようになりました。
参加者たちはこの教室を楽しみましたが魚の消費には結びつかず、次の一手を考えます。

定置網の漁師たちは神奈川県水産課の助言を受けて、厚木市内の大型農産物直売所にて朝どれ鮮魚の販売を開始します。
非常にこの鮮魚は人気があり、大漁で値崩れした魚や、市場流通に乗りにくい規格外の魚も売ることが出来、新たな収入に結びつきました。
そして2011年、ほかの漁業種からの要望でシラス船曳網、刺し網、遊漁船のメンバーも加わり、平塚新港荷捌き場にて「地どれ直売会」を開催する運びとなりました。
生け簀の中の生きている魚を見て選べることが話題となり、平日午後の開催にも拘わらず、行列ができるほどの人気ぶりです。
市内は勿論、市外からも沢山の客がやって来て、売り上げは3年間で40%も伸びました。

また魚を販売する漁師たちは、魚を買った客が作った魚料理の写真を見せてもらったり、美味しい食べ方を訊かれたりするなど対面販売のモチベーションに繋がり、何よりも消費者と直接対面することで魚の鮮度など品質管理の意識が高まりました。

そして市内の農産物直売所では干物や燻製など加工品が並んでいますが、元来県外から魚を仕入れして加工していた加工業者に「地場の魚にこだわった商品製造」呼びかけ、地魚を使った加工商品の実現がなされました。
加工食品のラインナップで面白いものがあります。
それは“シイラの燻製”、地元で獲れてマイナーな魚種が活用されています。
画像出典元:https://info-ya.com/archives/769.html

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平塚漁協が取り組んだ第6次産業の布石 その3

平塚漁協が取り組んだ第6次産業の布石 その5

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