ニシンと数の子 その6

「ニシンと数の子」と銘打っておきながら長々と身欠きニシンやらシュールストレミングとかのお話が長く続いてしまいました。
さて、今回はやっとお待ちかね(?)数の子のお話です。

ニシンの卵が“数の子”と呼ばれているのは皆さん十分にご存知のことと思いますが、では何故ニシンの卵を数の子と呼ぶのでしょうか。
これには色んな説があるのですがニシンを“カド”、“カドイワシ”という呼び名があり、カドの子から“数の子”になったという説、またニシンの卵が数万から10万粒と非常に多い数なので“数が多い子”という由来もあるそうです。
もっとも他の魚類もこれぐらいの卵を産むので、珍しくはない話なのですが…。
最近では非常に高価なため“黄色いダイヤ”とも呼ばれたりしています。

数の子は主に寿司ダネで食べる機会が多いですね。
昆布に卵をうみつけた“子持ち昆布”があると、喜んで注文してしまいます。
さて数の子は正月のおせち料理に必ず使われていますが、これは二親からたくさんの子が産まれてほしいという縁起をかついだところにあるのです。

一般的には数の子そのものは味がないので塩漬け、干し数の子、味付け数の子などに加工をしており、干し数の子が最も高級なものとして扱われています。
食通で知られる北大路魯山人は自書の「魯山人味道」にて、こう記しています。

“数の子を食うのに他の味を滲み込ませることは禁物だ。だから味噌漬けや粕漬けは、ほんとうに数の子の美味さを知る者は決してよろこばない。醤油に漬け込んでおくことも禁物だ。水にもどしてやわらかくなったものをよく洗い、適当の大きさに指先でほぐし、花がつおかまたは粉がつおのよいものを、少し余計目にかけて、その上に醤油をかけ、醤油があまり卵の中に滲み込まない中に食うのが、数の子を美味く食う一番の方法である。”

また、食感について魯山人はこう記しています。
“数の子を歯の上に載せてパチパチプツプツと噛む、あの音の響きがよい。もし数の子からこの音の響きを取り除けたら、到底あの美味はなかろう。”

イクラ、タラコといった他の魚卵の塊と比較すると硬いことから、味のほか歯ごたえや咀嚼時のプチプチという音も楽しめるのが数の子の醍醐味ですね。
画像出典元:https://nimono.oisiiryouri.com/kazunoko-sitagosirae/

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