サクラマスとサツキマス

四月になり桜が咲く頃に海から川へ遡上するので“サクラマス”と呼ばれているのは広く知れ渡っていることと思いますが、サクラマスよりも一月遅れて五月になってから、海から川に遡上する魚はご存じでしょうか。
これも多分ご存知の方が多いと思いますが“サツキマス”、皐月になり「サツキツヅジ」が咲く頃に海からやってきます。
サクラマスもサツキマスも同じサケ目の魚ですが、サツキマスはサクラマスの亜種という扱いです。

サクラマスは北海道庁が名付け親で、桜の咲く頃に海から川へ遡上してくることから、あるいは肉の色がきれいな桜色であることが由来です。
氷河期以降に海域の水温が高くなったため川の上流や湖沼に閉じ込められてしまい、そのまま川を降りずに一生を淡水域で過ごすようになったものをサケ・マスでは陸封型と呼ばれていますが、サクラマスではこれを“ヤマメ”と呼んでいます。

そしてサツキマスは神奈川県西部の河川酒匂川より西側の太平洋域、瀬戸内海、四国、九州は宮崎にかけて生息、伊勢湾に注ぐ木曽三川では皐月が咲く五月(サツキ)に遡上してくることにちなんで標準和名がサツキマスと名付けられ、陸封型のものはアマゴと呼んでいます。

サクラマスもサツキマスも同種の魚ではあるのですが、なぜ別の名称かというと生息している分布域が違うからです。
サクラマスは水温が8~15℃付近の適水域で生息する魚で、オホーツク沿岸から朝鮮半島、北海道から本州北部にかけての日本海側、また太平洋側ではサツキマスの北限である神奈川県酒匂川より北にかけての本州と、瀬戸内海に面したところを除く九州に生息しています。

そして陸封型の個体について、アマゴ在来個体群は堰堤など河川構造物による流路の分断や森林伐採などにより生息環境が悪化して生息数が減少しています。
以前はサクラマス系列のヤマメと分布は分かれていましたたが、ここ最近で盛んになった遊漁目的の放流により分布が乱れてしまい、アマゴとヤマメが混在する河川があります。
本来、日本海側や琵琶湖にはアマゴは生息していませんでしたが、最近はヤマメが生息している地域にまで放流されてしまい、結果としてアマゴとヤマメの交雑種が確認されているのです。

画像出典元:http://atsushino1.com/347.html

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