拡がる不安・雑種フグ問題

気になるニュースです。
最近、いずれもトラフグ類の“ゴマフグ”と“ショウサイフグ”の交雑種が、東日本を中心とする太平洋沖で増加していることが、山口県下関市の水産研究・教育機構水産大学校の高橋洋准教授の研究で明らかになりました。
交雑で産まれた種のこれらの魚は、親にあたるゴマフグやショウサイフグと同じ場所に毒があるとは限らない問題があります。

本年5月24日に水産研究・教育機構が公表した資料によると、高橋准教授は2012(平成24年)頃から岩手、福島、茨城県の太平洋沖で種が不明なフグが水揚げされるようになりました。
同年から2014年(平成26年)にかけて、当該水域で水揚げした252尾のフグの遺伝子を調べたところ、ゴマフグとショウサイフグの交雑種149尾が確認されました。
何と全体のうちの6割が交雑種という恐ろしい結果だったのです。
交雑種と認定された個体で雑種として生まれた第一世代は131尾、残り18尾は交雑種の魚と純血なゴマフグ、またはショウサイフグと再度交雑したものでした。
このとき雑種同士による第二世代の個体は見つかりませんでした。

本来ゴマフグは北海道北西部から九州にかけての日本海が生息域のため、太平洋沖に出現することも、さらにはショウサイフグとの交雑種が見つかることはあり得ません。
この交雑種問題については近年、地球温暖化などの海洋環境の急激な変化により、海産魚の分布域の変化やそれに伴う種間交雑の進行がなされていることが推定されています。
そしてゴマフグ・ショウサイフグに限らず、魚種間の交雑問題は世界的に報告されています。

ゴマフグが日本海を北上して津軽海峡を越えて太平洋側に入り込み、結果としてショウサイフグと出会い交雑に至った可能性があるのです。
いずれのフグは食用となる筋肉と白子には毒がない、または弱毒で皮膚に強い毒がありますが、交雑種には確実に同じところに毒があるとは限りません。
交雑種は両方の特徴を備えていたり、どちらか一方に似ていたりと様々なパターンが想定されるのです。

現在、市場では魚の模様など外見を頼りに手作業で選別しており、確実に交雑種の魚である、或いは疑わしいとされたものは廃棄され、水際で流通を防いでいます。
ただ外見は純血のものと区別が非常に難しい個体もあり、今後交雑種の魚が増えた場合、販売流通に紛れ込むリスクが更に増える可能性があるのです。

画像出典元:http://newfeelbar.com/hugu/

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