トビウオと夏 その3

前回はトビウオが空を飛ぶ仕組みについてお話をしました。
大きな胸ビレをグライダーのように飛翔する姿はとても優雅に見えますが、実は外敵から逃げている最中でのっぴきならない状況なのです。
今回はトビウオの漁業的活用について綴ってゆきたいと思います。

主にトビウオは刺網、浮刺網、定置網、すくい漁で漁獲します。
トビウオ漁でポピュラーな浮刺網はトビウオの性格を活用した漁法で、海面から深さ数メートル付近に長い網を設置して、勢いよく泳ぐトビウオが網に刺さるという仕掛けです。
この網目は大きめに作られており、網目より小さい魚は網をくぐり抜けることができるので、一定の大きさのトビウオだけを獲ることができるのです。

伊豆七島ではすくい漁という方法で漁獲されています。
夜、暗い海の中で集魚灯を点灯すると、トビウオが一斉に泳いできます。
このタイミングを見計らって船の舷側に網を投入すると、突進してきたトビウオが網に掛かります。
周囲の異常に気付いて向きを反転したトビウオをすかさずタモで掬います。
こぼすくい網もトビウオの性格を利用した漁法です。

そしてトビウオ漁獲量日本一の鹿児島県種子島・屋久島では「トビウオロープ曳き漁業」という方法があります。
昭和30年頃に種子島の漁師が考案した方法で、屋久島に伝わり改良されて現在の漁法を確立しました。
トビウオロープ曳き漁業は、数名が乗りこんだ本船と1名が乗っている片船の2隻で行われます。
本船が海に投入した1.5キロほどの長さの網を、片船が直線状に曳いて網を張ります。
網を真っ直ぐ曳き終えると、今度は両船が円を描くように網を曳いてトビウオを囲い込みます。

そしてこの漁のクライマックス、片船に乗っている漁師は何と海に飛び込んでトビウオが網の外に逃げないように直接囲い込みをするのです。
完全にトビウオを囲い込んだ網は、本船が袋状に縛り上げて漁獲するのです。
1日で6回ほどこの漁を行います。

今では行われていませんが、飛んでいるトビウオに向かって皿を手裏剣のように投げて、皿に当たって海中に落下したトビウオを拾い集めるといった漁法がありました。
まるで忍者みたいですが、これは何処で行われていた漁法なのでしょうか。
調べてみましたが、全く見つかりません。
どなたか知っている方がいらっしゃれば、ご教授の程を。

画像出典元:http://blog.livedoor.jp/neosupport1/archives/51106792.html

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