玄界灘にある「神が宿る島」と漁業 その1

早いものでこの「さかま図鑑」を執筆開始以来250話目に達しました。
日頃、読んでいただいている皆様に厚く御礼申し上げると共に、これからも様々な“魚のトピックス”について取り上げてゆきたい所存でございますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

さて、この251話目は福岡県に関する記事を書こうとずっと思っていました。
「何でか?」という声が沢山聞こえてきますが、私がいつも福岡に出掛けるときには全日空251便を使っているからという、わりかしどうでもいい理由なのです。
昼前に羽田空港を飛び立つ2時間弱のフライトですが、羽田を離陸してぐっと機体が上昇をすると都内・横浜のビル群や東京湾の工業地帯が窓いっぱいに広がります。
関東平野を西に向けて上昇を続け、与圧の音が大きくって機外のエンジン音が掻き消される頃には津久井湖、その5分後には富士山の真上に達します。
その後は日本アルプス、琵琶湖、京都、瀬戸内海を見ながら山口県の秋吉台付近で降下を始め、玄界灘を見ながら博多駅近くの福岡空港に滑り込みます。
これまで様々な航空路線を使っておりますが、一番好きなフライトが関東・近畿・中国・九州の景色を楽しめる、この全日空251便なのです。

福岡空港に着陸する直前、飛行機は玄界灘を低空で福岡空港に向けて最終着陸態勢に入りますが、そのとき玄界灘に浮かぶ沢山の小島が眼下に見えてきます。
天気がいいときは玄界灘の遥か西の沖に、“沖ノ島”という小島を見ることが出来ます。
この沖ノ島は福岡県宗像市から60キロほど離れた対馬に近い島で、宗像市にある宗像大社の神領なのです。

この沖ノ島には日本神話に登場した“宗像三女姫”の一柱として“田心姫神”が島内の油津宮に祀られている神聖な島なのです。
そのため“神領”とされている島では一般人の立ち入りは認められていません。
この島に滞在が許されるのはただ一人で、神職が交代で常在して毎日ここで神事が行われています。

そして祀られている神様が女の神様であることから、今でも固く女人禁制が貫かれており、立ち入りは男性のみが許されています。
また上陸するときには裸になって海で禊をしなければならないのです。
この沖ノ島は人々の神に対する信仰心や畏敬の念、禁忌が変わることなく昔から今へと受け継がれているのです。

2009年にエジプト考古学者の吉村作治氏が音頭を取って、沖ノ島を世界遺産にする運動が行われ、ユネスコの世界遺産暫定リストに掲載され、2016年に正式に推薦されました。
今年5月6日に沖ノ島と構成遺産が登録されることがユネスコ諮問機関の“国際記念物遺跡会議”より勧告されました。

画像出典元:http://portal.nifty.com/kiji/160715196993_1.htm

 

玄界灘にある「神が宿る島」と漁業 その2

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