コイのおはなし 002

鯉はもともと中央アジアを原産地とする魚で、中国では3000年以上も前から鯉を食べていたのです。
水温など生活の環境適応が高い動物なので飼育がしやすく、今では世界的に生息域が広がっています。
日本に鯉が伝わった歴史はとても古く、平安朝時代には池に放して鑑賞していたという記録があります。

鯉は人為的に変種をつくることができ、錦鯉は黒色以外の色鯉が沢山開発されています。
例えば赤色を緋鯉、赤と白の紅白、白色の体に赤と黒の斑点の大正三色、大正三色と同じ色の組み合わせでも黒色が大胆なアクセントの昭和三色、鮮やかな金色、薄い黄色の浅黄(あさぎ)などがあります。
鯉に様々な色があるということは4世紀の中国の書物で記録されていますが、錦鯉を育てることについては19世紀に新潟県小千谷市と山古志村が始まりとされています。
農民が明るい色をした鯉を見つけて、それを捕まえて飼育したことが始まりです。
そのうち裕福な農家では趣味の世界の中で様々な鯉を交配させ、質のいいものは売買されるようになりました。

そして1914年の東京博覧会で交配した紅白の鯉が展示されたとき、一気に日本国内では錦鯉のブームに火が付いたのです。
昭和時代以降、錦鯉の美しさに魅了する人々の広がりは日本を超えて、船や飛行機を使って海外へ輸出されてゆきました。
近年では錦鯉の養殖業者に買い付けに来る外国人の姿も多く、生産量の8割が輸出しているとのことです。
質が高くて美しいものは非常に高値で取引されており、過去には4,000万円の値が付いた錦鯉があったそうです。
ドイツでも鯉の変種を開発しており、鱗がほとんどないカガミゴイやカワゴイが有名です。

そして食用として古くから用いられている鯉が“ノゴイ”と“ヤマトゴイ”ですが、ノゴイは非常に希少性があり、通常流通しているものはヤマトゴイです。
古い時代から養殖が行われており、内陸部では大切なタンパク源として大切にされていました。
鯉こくや紅焼鯉魚(ホンシャウウリーユー)など日本料理や中華料理で幅広く使われています。
そして日本ならではの食べ方としては生で食べる“洗い”ではないでしょうか。
〆た鯉の肉を直ちに冷やして縮ませることで旨味と心地よい食感が楽しめます。
酢味噌や酒を醤油で割って梅干しとカツオ節を加えて煮たてた煎り酒をかけると一層おいしくいただけます。
暑い夏に食べたい一品ですね。

画像出典元:http://www.nandemo-zukan.net/animal/a_detail.php?animal_id=372

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