マダイあれこれ その1

私が寿司屋で必ず頼むネタのひとつに“マダイ”があります。
舎利の上に乗った透明感のある皮霜造りのマダイは、コリコリとした弾力のある食感にほのかな甘みとクセがなく素直な味わいでありながら深い旨みが楽しめます。

寿司や刺身の生食で味わう旨さを愉しんだら、今度は塩焼きにして熱を通った身の旨味が増した奥行きの深さ(特に皮目は最高ですね)と塩の味わいのハーモニー、煮付けで甘く煮込んだ汁を吸いこんだ身のぶっとい旨さを楽しみながら、アラから出る絶妙な旨味で二度美味しい。
今、夜中2時にこんなことを綴っていますが、もうマダイ料理の絶妙な美味しさが続々と思い出してしまい、とても落ち着きません…オレにマダイを食わせろっ!

マダイは北海道以南から九州南シナ海にかけて広く分布している魚で、水深30~200メートルの砂礫底、岩場などに生息しています。
肉食性で魚類、甲殻類、頭足類など何でも食べる魚で、強靭な顎には鋭い犬歯と臼歯が生えており、エビやカニの殻さえも噛み砕いてしまいます。
東シナ海、瀬戸内海、日本海の順に水揚げ量が多く、太平洋側では南方の漁獲が多い傾向にあります。

そして瀬戸内海のマダイは荒波に揉まれて育ってきたため、特に美味しいと昔から言われており、平安時代の勅撰和歌集「詞花集」では「春来れば味潟の海の一かたに浮くてふ魚の名こそおしけれ」と詠まれています。
神功皇后を乗せた船が瀬戸の味潟(現在の広島県豊田郡幸崎町あたり)を通ったときに、真っ赤なマダイの群れが押し寄せてきました。
縁起がいいことだと船に乗っている皆は喜び、海に樽酒を振る舞いました。
するとマダイの群れは酔っぱらって海面に浮かび上がったというのです。
それ以降、毎年春になるとこの海にはマダイが浮かび上がるといわれたのでした。

この光景は昭和時代にも見ることができたそうで、3月から5月にかけて産卵期の大潮のとき、無数のマダイが海面に浮いており、「浮き鯛」と呼ばれる春の風物詩でした。
瀬戸内海は幅が狭いので流れが早い海域ですが、この“味潟”の沖は浅瀬になっているため更に流れが急になっています。
そのためマダイは、水圧により浮き袋の調整が上手く出来ないために浮いてしまうのです。
今では周辺の環境変化により「浮き鯛」の姿は見られなくなりました。
画像出典元:http://barutanseiji.blog105.fc2.com/blog-category-33.html

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マダイあれこれ その2

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