長く冷凍した魚を最大限美味しくするには…その2


前回の続きです。
再氷結とは別に凍った食材の脂質が酸素に触れて品質低下する、所謂“脂焼け”という問題もあります。
死んだ魚は保水力がなくなり、自分が持っている脂や体液により細胞が壊れてしまいます。
脂焼けは不飽和脂肪酸が多く含んでいる魚に起こりやすく、脂がよく乗った魚の切り身や干物を冷凍するときは注意が必要です。
脂焼けが進行すると身が緩くなって、皮目が脆くなります。
さて美味しく魚を冷凍するコツとして、魚の身に血を残さないことが大事です。
血は雑菌が好むので菌が繁殖する危険性がありますが、それ以外にもイヤな臭いや風味低下に繋がり美味しくありません。
そのため血合いを洗い流して、身に血を残さないようにしましょう。
また、魚は内臓(ワタ)やエラから痛みが進行しますので、冷凍保存で一番理想な状態は頭を切り落とし、骨や皮を取り除いた“身だけ”にすることです。
ただ、身だけ捌いても余分な水分が肉の中にまだ残っていますので、キッチンペーパーで包んでサランラップで覆い、更にジップロックが付いたビニール袋に入れるといいでしょう。
キッチンペーパーは余分な水分を吸水し、ジップロック袋は真空にして無酸素で保管する役目があります。
そのほか冷凍前の下拵えとして、切り身に塩を振ることで細胞の浸透圧を利用して水分を出すこともいいですね。
兎に角“余分な水分は大敵”なのです。
冷凍庫に保管するときは奥の方に安置して、扉を開けたときの温度上昇が少しでも和らげるようにしておくといいですね。
さて今度は解凍するときのおはなしですが、凍った身がグズグズになってしまうことがありませんか?
これは凍っていた細胞が溶けて、水になり流れ落ちてしまうのです。
この溶けたときに流れる水を「ドリップ」といい、所謂肉汁です。
ドリップには食品本来の旨みや栄養が豊富に含まれているので、解凍の過程でドリップが流れ出てしまった身は旨みや栄養分が無くなってしまうのです。
食材の解凍にあたって、もっとも美味しく食材を食べるには冷凍庫から冷蔵庫に移してゆっくり解凍するといいですね。
低温の状態で解凍するので食材にダメージが少なく済みます。
または氷水に漬けて解凍すると、冷蔵庫解凍よりも早く済みますよ。
やってはいけないことは常温での解凍です。
溶けだした温度帯で食材内の細菌が動き始める恐れがあります。
食材解凍で、一番お手軽で早いのは電子レンジの“解凍モード”ですが、すべての氷が解けるまで解凍を続けるとドリップが一気に流れ出てしまいます。
それに解凍モードはレンジの出力が抑えられている状態ですが、長時間利用したらそれこそ電気代の無駄ですし。
年末になり、冷凍庫の一掃をする機会が増えることでしょうが、しっかり冷凍・解凍して美味しい食事を楽しみましょう!
画像出典元:http://www.kashikoi-life.sakura.ne.jp/blog/wordpress/20160411

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