初夏の魚といえば鮎(あゆ)


新緑の初めに、清流に身を躍らせて太陽にその銀鱗を反射させる若アユの姿は実に美しく、まさに初夏の使者、清流の女王と呼ばれるにふさわしい趣があります。初夏から夏が旬で、白身で独特の香りをもっています。
市場に出ているアユの8割は養殖物で、近年は国内消費だけでなく、隣国の台湾やアメリカ西海岸まで輸出しています。
現在、アユは3分類されて売られています。
1.天然アユ・・・四万十川や長良川産の物が人気で、2~3万円で取引されます。
2.養殖アユ・・・「半天アユ」と呼び、養殖物を、出荷の2~3週間前に生簀に河川水を流し込んで運動させ、余分な脂を絞り込んだ天然に近いアユも流通しています。
3.冷凍アユ・・・養殖物で、あまり運動させないまま出荷となるので、脂が多いものが多いです。
また、サイズは、地区によって好みがあり、関東は1尾80g以上の大型を好み、中京は70~80g、関西は小型の60~70gを好むと言われています。
縄文遺跡でアユの骨が発見されたことから、日本人は縄文時代からアユを食べていたことになります。
延喜式(927年)には煮塩年魚(にしおあゆ)、塩漬年魚、押年魚、火乾年魚(ひぼしあゆ)、酢年魚などの加工品が登場しており、生活に密着した魚であったことがうかがえます。
江戸時代になるとさらに調理法が増えます。
「料理物語(1643年)」には、膾(なます)、刺身、寿司、焼手、蒲鉾、白干し、しほ引き、うるか、アユの皮焼き膾等など記されています。
姿焼き・塩焼き・・・・アユの美しさを愛でながら、ワタの苦味を楽しむ。蓼酢(たです)で食べるのが一番。
背越し・・・・・・・・内臓とヒレを取り、水洗いしたのちに水気を取って厚さ2~3mmの筒切りにするあらい料理。生野菜といっしょに盛り蓼酢で食べる。
鮎の蓼(たで)干し・・・三枚におろして、蓼の葉をつけて干したのち、内臓と味噌を和えた汁を塗りながら焼き、酢取りみょうがをあしらう。

その他では煮付、田楽、椀種、天ぷら、フライ、雑炊、甘露煮、昆布巻、等などがあります。
加工品ではうるかがあります。内臓の珍味でアユの塩辛。食塩を材料の20~30%加え、毎日撹拌して、熟成させたもの。頭とヒレ以外を使用する切込うるか、卵巣を使用子うるかする子うるか、精巣を使用する白うるか、内臓のみを使用する苦うるかがあります。

 

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