夏に食べたい魚介類その2 キビナゴ


初夏を過ぎて、鹿児島で欠かせない魚がこのキビナゴです。
ニシン類の仲間で体が細くて半透明、幅広い青銀色の立て帯が美しい魚です。
春先になると、関東南部から南日本にかけての太平洋、東シナ海方面で水揚げされます。
伊豆半島では春から夏の産卵期に外洋に面した砂浜に、産卵をするためのキビナゴの大群がやってきます。
卵は水底に沈んで、砂粒や小石、貝殻、海藻に付着します。
鹿児島弁で帯のことを「キビ」といい、魚体の青い縦筋を見立ててキビナゴと呼ばれています。
大きさや形がイカナゴに似ていますがキビナゴと異なりスズキ目の魚で、冷水性の北日本方面に分布します。
キビナゴは主に巻き網漁で漁獲され、伊豆、和歌山、高知、鹿児島、長崎など暖流に面した地域で水揚げがあります。
小魚で水揚げされてから痛みが来るのが早いので、もっぱら産地で消費されていますが、鹿児島の様に郷土料理として活用しているため、全国的にキビナゴの知名度は高いです。
小骨が多いですが骨は柔らかく、さばいたときに剥がれやすいので料理がしやすいです。
脂肪は少なく、さっぱりした味わいと甘みがあります。
ヒレを取って、包丁で丁寧に開いて腹骨をすいた刺身は、鮮度がいい魚を扱える産地で作られるもので、鹿児島では一品料理で必ず出てきます。
酢味噌、醤油、生姜醤油、どれもキビナゴの独特な旨味を引き出してくれます。
色目が美しいキビナゴ寿司は鹿児島ならではの名物です。
また、獲れたてのキビナゴを丸ごと唐揚げにすると、熱を通して強くなったキビナゴの旨味に磯の香りがほのかに感じられます。
強い旨みのキビナゴを存分に味わえるのは産地ならではの特権ですね。
ほかにも煮付け、塩ゆで、天ぷら、南蛮漬けなど多岐にわたって美味しくいただけます。
キビナゴは加工品としても色々食べ方があります。
メザシの様に何尾かまとめて串に刺して一夜干しにします。
骨が軟らかいので食べやすく、旨さが深まり塩加減が絶妙な美味しさです。
キビナゴの干物は特に伊豆が有名です。
鹿児島県阿久根市では「がらんつ干し」というものがあり、ガラガラに干し上げたことを意味します。
稚魚のちりめんじゃこもイワシとは違った旨さが楽しめます。
キビナゴの煮干しはやや黄色がかった綺麗な出汁が取れ、うどんやそうめんなど小麦粉類のつゆに向いています。
画像出典元:http://atsushis.exblog.jp/18381975/

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