漁業無線(Radio GA GA… 沖と陸を結ぶ懸け橋 )その1


本日のタイトルにクィーンの名曲を取り入れました。
個人的にはクィーンはこの「Radio GA GA」が一番好きですねぇ。
「何でか!?」とお思いの方もいらっしゃることでしょうが、ご安心ください。
ちゃんと理由がございます。
ざっくりと訳しますが、曲中に「ラジオの時代は過ぎてしまったけど、君は古き良いものなんだ。いなくなると寂しいんだ。だからニュースはないか?君を好きな人はまだいるよ」という件(くだり)があります。
さて、この歌詞とお魚の関係どこにあるのでしょう。
主に遠洋漁船が所属している漁港には「漁業無線局」というものが備わっています。
海に向いている大きなアンテナが何基も建ち並んでおり、ちょっと物々しい雰囲気が漂っています。
漁業無線局は遠洋漁船に向けてコミュニケーションを取る通信システムで、主に無線電話やモールス信号で通信を行います。
地球の裏側まで魚を求めて海を駆け抜ける漁船と通信が確実にできる様にするため、遠距離でも届けられる短波の電波を使用します。
漁に出ている漁船に対して、漁場の気象情報や主要漁港の魚の相場など毎日送ります。
また漁船からは一日に3回、現在位置や漁の状況を伝える定時報告をはじめ、水揚げ状況や別の漁場への移動など操業情報、船舶・乗組員異常や遭難信号、海の異変を伝える緊急通報が送信されます。
ほかにも年賀電報や乗組員関係者の訃報など様々な通信を行っており、無線局は24時間体制で通信業務に当たっています。
漁船が漁業無線局に水揚げ状況の定時連絡をするとき、なかなか面白い駆け引きがあるのです。
自分たちの船が大漁だったとき、漁場の位置や水揚げ内容を送信することで傍受している他の船が押し寄せて来ることが考えられます。
そのため漁船と通信局との間で暗号を取り決めて、他の船に内容が分からない様にするのです。
また仲間の漁船を大漁の漁場に呼びたいときは、「腹が痛いから薬を持ってきてくれないか」、「面白い映画のテープが入ったから取りに来いよ」など内容をカモフラージュして通信を行います。
一昔前までは、一日に百隻以上の遠洋漁船と漁業無線局の間で連絡を取り合っていました。
新人の無線局職員がひっきりなしに受信したモールス信号に戸惑っていると、すかさず漁船から「ホ・カ・ノ・ヒ・ト・ニ・カ・ワ・レ・ノ・ロ・マ」と送られてきたものでした。
最近では遠洋漁船の数が少なくなったこともありますが、インターネットやインマルサットなど衛星電話の発展により、全国に54か所あった遠洋無線局が38か所(2015年3月現在)まで削減されました。
しかし、漁業無線局の役割はまだまだ十分にあるのです。
次回はそれについてお話しましょう。
画像出典元:http://www.ne.jp/asahi/ji1jci/kuromiya/ham/jha.html

 

漁業無線(漁業無線が人命救助の橋渡し) その2

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