2015-04

初夏の魚といえば鮎(あゆ)

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新緑の初めに、清流に身を躍らせて太陽にその銀鱗を反射させる若アユの姿は実に美しく、まさに初夏の使者、清流の女王と呼ばれるにふさわしい趣があります。初夏から夏が旬で、白身で独特の香りをもっています。
市場に出ているアユの8割は養殖物で、近年は国内消費だけでなく、隣国の台湾やアメリカ西海岸まで輸出しています。
現在、アユは3分類されて売られています。
1.天然アユ・・・四万十川や長良川産の物が人気で、2~3万円で取引されます。
2.養殖アユ・・・「半天アユ」と呼び、養殖物を、出荷の2~3週間前に生簀に河川水を流し込んで運動させ、余分な脂を絞り込んだ天然に近いアユも流通しています。
3.冷凍アユ・・・養殖物で、あまり運動させないまま出荷となるので、脂が多いものが多いです。
また、サイズは、地区によって好みがあり、関東は1尾80g以上の大型を好み、中京は70~80g、関西は小型の60~70gを好むと言われています。
縄文遺跡でアユの骨が発見されたことから、日本人は縄文時代からアユを食べていたことになります。
延喜式(927年)には煮塩年魚(にしおあゆ)、塩漬年魚、押年魚、火乾年魚(ひぼしあゆ)、酢年魚などの加工品が登場しており、生活に密着した魚であったことがうかがえます。
江戸時代になるとさらに調理法が増えます。
「料理物語(1643年)」には、膾(なます)、刺身、寿司、焼手、蒲鉾、白干し、しほ引き、うるか、アユの皮焼き膾等など記されています。
姿焼き・塩焼き・・・・アユの美しさを愛でながら、ワタの苦味を楽しむ。蓼酢(たです)で食べるのが一番。
背越し・・・・・・・・内臓とヒレを取り、水洗いしたのちに水気を取って厚さ2~3mmの筒切りにするあらい料理。生野菜といっしょに盛り蓼酢で食べる。
鮎の蓼(たで)干し・・・三枚におろして、蓼の葉をつけて干したのち、内臓と味噌を和えた汁を塗りながら焼き、酢取りみょうがをあしらう。

その他では煮付、田楽、椀種、天ぷら、フライ、雑炊、甘露煮、昆布巻、等などがあります。
加工品ではうるかがあります。内臓の珍味でアユの塩辛。食塩を材料の20~30%加え、毎日撹拌して、熟成させたもの。頭とヒレ以外を使用する切込うるか、卵巣を使用子うるかする子うるか、精巣を使用する白うるか、内臓のみを使用する苦うるかがあります。

 

毛蟹は冬だけじゃない

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今では、人気の高い毛蟹(毛ガニ)も戦前までは見向きもされなかったそうです。
戦時中の食糧品統制を受けて売る物がなくなった時、長万部駅の構内立ち売り業者がしかたなく統制を受けてない毛ガニを茹でて売り出したところ、人気が出始め、終戦後に飛ぶように売れ始めたといわれています。
「タラバガニ」、「ズワイガニ」、「毛ガニ」が三大蟹と云われており、カニ王国北海道の人達には毛ガニが一番人気とのこと。その理由は、他のカニと比べて、カニ肉の甘味とカニ味噌に何とも云えない旨さがあるからとのことです。

毛ガニの漁期は、春はオホーツク海、夏は噴火(内浦)湾、秋は釧路および根室沿岸、冬は日高沖、十勝沿岸。岩手では12~3月となっています。
オホーツク海は冬は海が流氷で覆われているので、流氷が去る「海明け」(3月頃)から漁が始まり、7月~8月頃まで続きます。
春先に獲れる「若ガニ」は脱皮したてで、身入りが少なくミソも少ないのですが、毛ガニの「通」は、価格も安く、殻も柔らかく、身の甘みが最高の「若ガニ」を好むこともあるそうです。
毛ガニの旨みには、旨味成分のグリシン、アルギニン、タウリン、プロリン、アラニンの遊離アミノ酸が非常に多い一方、その他のアミノ酸が少ないという極端な片寄りがあります。
またアデニール酸の含有量もカニ類中では最高で、これらが毛ガニ特有の味を持つ決め手となっています。

そんな毛ガニの食べ方は、脚肉をとりだし、そのまま食べるか、二杯酢やポン酢、ダシの入った酢などで食べるのが一般的です。
また、生カニを甲羅焼きや揚げ物にしたり、煮物や碗種(わんだね)などには茹でたものを利用します。
身肉をほぐしたものに塩や醤油などで好みの味を付け、殻の煮汁ダシで炊き込んでカニメシにしても、とても美味しいです!

 

いまが旬。メバル!

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春になると旬を迎えることから、春告魚として有名な「メバル」。大きな目が特徴で、名前の由来も目(目張る)からきています。
メバルは素直で上品な味を持ち、身も柔らかく誰にでも好まれる魚です。クセのない分、煮ても焼いても揚げても良しと、あらゆる調理法に適しています。
春先と秋が最も美味しい魚で20cm前後の3~4年魚が味も良くお勧めです。

メバルは肉食で、仔稚魚(しちぎょ)は動物プランクトンを食べるますが、成長するとモエビ、ワレカラなどの甲殻類や魚類を食べるようになります。餌を食べるのは主に夜間で、昼間はじっとしていることが多いです。
仔魚(しぎょ)は水深10~40mで浮遊生活をしています。
早春   10~30mm  流れ藻に2~300尾の群
春~初夏 30~60mm  底性生活に移行し浅場の藻場へ
夏     6cm      岩礁域へ移動
冬     8cm      水温低下に伴って沖合深部へ移動
1年魚で10cm、2年魚で13cm、3年魚で15cmとなります。
1年魚はオスとメスの割合がほぼ同じですが、年を増すごとにメスが多くなり、5年魚では90%がメスであると言われています。

メバルはウロコが硬く多いので、ていねいに引く必要があります。また、ウロコの棘(トゲ)は硬くて鋭いので、刺さないように注意が必要です。この棘でうっかり刺すと、2~3日はずきずきと痛みます。
近縁のカサゴの刺身は抜群ですが、メバルは大形でないと刺身には向きません。
新鮮なメバルは煮付ると身が反り返り、ほろほろと美しい白身が骨離れもよく食べ易いです。
ほかに、三枚に卸したものをぶつ切りにしてチリ鍋にしたり、焼き物や天ぷらなどの食べ方もお勧めです!!